「孤独の価値」〜芸術をする人間に必要なもの〜
今週のお題「読書の秋」
こんにちは。前回の更新からだいぶ空いてしまいました。
紅葉も始まり、秋めいてきましたね。寒くてたまらずこたつを出しました。冬の足音が聞こえそうですね。
今週のお題は読書の秋とのことで、芸術家にこそ読んでほしいオススメの本を紹介しようと思います。
今日紹介するのは、森博嗣著の「孤独の価値」です。
森博嗣さんといえば、全てがゼロになるでメフィスト賞を受賞した、理系ミステリーとも言われる作家さんですね。
タイトルからしてなんか難しそう…と思うかもしれませんが、芸術家にこそ読んでほしい本です。
「孤独の価値」の内容は、ざっくり言うと、
・孤独ってそんな悪くないよね。しかも、モノを作り出すには孤独であることが良い方向に働くことも多いよね!
ということが書いてあります(本当にざっくりですよ)。
不思議なようで、よく考えると当たり前なのですが、人ってうまくいってるときは深く考えないけれど、うまくいかないと時にはよくよくものを考えるんです。
音楽にしたってそうです。
楽しいばかりでは成長しないのです。
悩んで、うまくいかなくて、どうしたらいいんだろう、こんな自分を救ってくれる人はいない、自分は一人だと落胆することもあります。
その時こそ、成長するための加速度は最大になっているんです。
恋の楽しさを語る曲よりも失恋の悲しみを歌う曲の方が多いですよね。
人は、苦しい時ほど、何かを作り出すんだと思います。苦しい時ほど何かを作らずにはいられないんだと思います。
モノを作り出すことで自分の中に溜まった有象無象を吐き出すうちに、いつのまにか霧が晴れたような感じになります。
そして、その経験は芸術家にとって、創作の糧となるものです。
音楽をするものにとって、全ての経験は糧であると思っています。
孤独に打ちひしがれたこと、酷い失恋をしたこと、漠然とした虚無感を感じたこと。
できれば人生にはないほうがいいような経験だって、音楽をする人間にとってはプラスになります。
私も学生の頃、彼氏と酷い別れ方をして何ヶ月も気分が晴れないでいたことがあって、その時はもうつらくてつらくて、楽しいはずの楽器も勉強も何も手に付かなかったことがあります。
今ではそれも笑い話になりましたし、おかげでカラオケでよく歌う「天城越え」は、情念のこもった迫真の唄いっぷりと好評です笑
いまもし今いる状況、環境が辛くて辛くて堪らないという方がいたら、一度ぜひ孤独になってみてほしい。
ひとりになって、自分以外何もない状況を作ってほしい。ぼーっとし続けてほしい。ひたすら孤独を享受してほしい。
その時にこそ、見えてくる、生まれ出てくる自分の表現、自分のあり方があると思うから。
ちょっと真面目な話になりました。
わたしも今自分の方向性を模索しているので、ついつい熱くなってしまいました。
音楽をやる方、芸術をする方、どうしたらいいかわからなくて途方にくれてる方、ぜひ読んでみてください。
新書なので最初はちょっと難しいかもしれませんが、読み終わった頃にはきっとなにか気づきを得ているはずです。
紹介したい本はまだまだたくさんあるのですが、それはまたの機会に。
それでは。